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北海道アングラーズペンクラブ 【2006年記事一覧】


高齢化社会と釣り[11/19]


10月末に日本釣振興会東京支部などの主催で、シニア向けの釣り教室が行われた。会場は東京湾に面した若洲海浜公園。団塊世代からシルバー層に釣りの楽しさを味わってもらおうと、同支部が初めて企画したイベントだったが、定員の100人を超える197人の応募があったという。人口の多い首都圏とはいえ、正直言ってこの人気には驚いた。対象は60歳以上の男女で、最高齢は80代の男性だったそうだ。
四方を海に囲まれた北海道では、どの市町村からも釣り場は近く、地元の釣り人が毎日のように竿を出している港も少なくない。徒歩や自転車で釣り場に通い、釣れても釣れなくても「これが仕事だから」と笑っているのは定年をとっくに過ぎたシニア層だ。東京でもこんな光景があるのかどうかは知らないが、団塊の世代が定年後に趣味で釣りを始めたい、と思った時、果たしてこの常連達の中にすんなり入って行けるだろうか。釣りの基本を学んでから釣り場に行きたい、と思っている人は多いはずだ。
ゴルフなら練習場はあるし、囲碁をするなら碁会所もある。カルチャーセンターに行けば大抵の習い事は始められるが、釣りには確かに教室はない。釣具店に行けば、道具や釣り場の情報などを多少は教えてくれるだろうが、実際に釣り場で手ほどきをしてくれるわけではなく、初めての釣りでトラブルに遭い、「釣りは面倒」と思う人もいるのではないか。
未来の子供達のためにと、少年少女を対象とした釣り教室は各地で開かれているが、時代は少子化、そして高齢化社会。北海道の釣り業界も子供だけでなく、高齢者の釣り人の育成に目を向けてはどうだろうか。(菊地)

うらやましい?天草のタコ釣り[08/01]


熊本県天草といえば、天草四郎で知られる歴史の街。九州本土とは唯一、国道に架かる天草五橋で結ばれた大きな島のような地域である。北海道同様、海と大地に恵まれ、観光も盛ん。その観光の目玉となっているのが「釣り」である。
例えば、天草西海岸では船釣りや瀬渡しでのタイやブリ釣り、雲仙普賢岳を背にした五和では潮流の早い早崎瀬戸でタイやヒラメの船釣り、大矢野町には海の釣り堀が4カ所もあり、タイやヒラメ、ハマチ、シマアジ、カサゴ釣りで賑わっている。さらに、もう一つの名物がタコ釣り。この夏休み期間は観光タコ釣り大会というイベントがあり、船上からのタコの1本釣りで豪華賞品が当たるという。観光協会のホームページにも「タコ釣りとタコ満喫コース」が紹介され、地域を挙げてタコを観光の名物にしているのだから、北海道の釣り人にとってはうらやましい話である。
当然、天草にも漁協があり、タコも漁師の貴重な資源となっている。アワビやヒオウギ貝、真珠貝など育てる漁業にも取り組んでいる。ウニも獲れるし、海産物のブランド化にも熱心だ。どこか、北海道に似ているような気がするが、釣りに対する取り組みは全く違うように思う。もちろん、通年、漁も釣りもできる環境や財政、漁業者と行政、市民との関係などの事情は違うだろうし、釣りを観光の目玉にすることによる苦労もあるとは思う。
隣の芝は良く見えるもので、熊本の人にすれば、北海道の釣り環境は「うらやましく」見えるのかもしれないが、残念ながら、北海道は観光が産業の柱の一つであるものの、「釣り」がその中に盛り込まれているとは到底言えない。何かいいアイデアはないかと、考えてはみるものの、各関係者の横の連携が取れなければ、妙案も宝の持ち腐れだと思う。

おっかない季節[07/12]


日高方面のある漁港の岸壁で2本の竿を出している男性に会った。
「コマイ釣れてますか?取材なんですが」と声を掛けると、「そうやって、あなたみたいな人がたくさん来るんだ。何に載せるのか知らないが、そうすると人がいっぱい増えてねぇ」という。取材嫌いのおじいさんか、と思い、早々に立ち去ろうとすると、「去年はあそこに書いている「漁港を大切に」の「切」のところでクロガシラが釣れてねぇ。何に載ったのか、あっという間に人が来て、ものすごいことになった。特にゴミはひどかったねぇ」とこぼす。
ゴミ問題を無視するわけにはいかず、話に付き合うと、その男性は次々に愚痴をこぼし始めた。
「札幌でも帯広からでも釣り人が来るのは構わない。ゴミを捨てるのは何もそういう人ばかりじゃなく、地元の自治会でも平気で漁港にゴミを捨てる人もいる。でも、一番おっかないのはサケの時期だ。去年、私の前に来て、竿を振ろうとする人がいたから「危ないよ」と注意したら、『てめぇ、この野郎、うるせぇ』と言われた。サケ釣りの時期は釣り人が殺気立って、本当におっかねぇ。俺はもうサケ釣りは絶対しないと決めたんだ」
そんな暴言を吐く釣り人がいるとは、情けなくなった。返す言葉もなかった。

「コマイ、釣れるといいですね」と、その場を去ろうとすると、「今日はもうダメだな。もう昼か。午後からは何をして遊ぼうか」と淋しそうに言った。釣果を持たずに家に帰れば、「釣れもしないのに海ばかり行って」と嫁に言われるのだろう。もう少し話に付き合うと、戦時中の話題になり、孫の話になり、その男性は「あなたみたいな仕事も大変でしょうが、また会いましょう」と言って笑った。

釣り人は自分だけの釣り場だと勘違いしてはいないか、釣り人は釣り場に行くと、人格が変わってはいないか、
釣り人は釣ることに夢中になることで気配りを忘れてはいないか…

サケの時期の釣り場はどこも異常な熱気に包まれる。まもなくカラフトマス、そしてサケが北海道沿岸に帰ってくる。75歳のおじいさんが言う「おっかない季節」がやって来る。(M)

ごみ問題に一言[05/24]


21日に開かれた全道海釣り1000人大会に主催者の日釣振北海道地区支部のスタッフとして運営を行った。その際、驚いたのがごみ。1000人大会では毎回、ごみ拾い賞を設け、受け付け時に参加賞の一つとしてごみ袋を渡し、ごみを拾ってきた人に賞品をプレゼントしているが、今回も参加者の多くがごみ拾いに協力してくれた。主催者側は拾ってきたごみを引き取らないため、自宅に持ち帰り処分するのは大変だったと思う。中には家族3人で、抱えきれないほどのごみを持ってきた人もいた。「どこで拾ったの?」と聞くと、「石狩浜、とても拾い切れなかった」とその参加者。この日、集まったごみだけでも相当な量になったと思うが、まだまだほんの一部に過ぎない。焼け石に水と思わず、地道に清掃活動を続けるしか、解決策がないのは悲しいことだ。

24日の北海道新聞朝刊に「知床にハイヒール観光客いらない」の見出しで、羅臼町長が観光客のマナーの悪さを批判する発言をしたという記事が載っていた。漁港や道の駅でマージャンや炊事をして、ごみ捨ても多いということだ。
また、24日朝のテレビ番組では、サッカー日本代表がW杯出場を前に合宿を行っている福島で、練習を見に来た観客のマナーの悪さが指摘されていた。駐車場所を守らない、ごみを放置していくなどの理由で、23日午後の練習が中止されたという見方もあったようだ。
とかく私達の周りでは釣り人のマナーの悪さが指摘されるが、世界遺産を見に行く観光客もサッカーの観客も、ごみを放置するのは同じのようだ。となると、日本人のほとんどがマナーを守らない粗悪な人種ということか。

「自分は違う」「私はごみを捨てない」と言ったところで、ここまで多方面でごみ問題が取り沙汰されれば、抜本的な対策が必要だろう。かといって、国が立ち上がるほどの問題でもなく、これに税金が投入されれば、怒るのは国民だろう。それなら、なおのこと、国民一人ひとりのマナーの向上を訴えていくしかない。学校や家庭はもちろん、釣り会や職場で…何とも情けない世の中だ。(山道正克)

資源の節度ある遊漁[04/22]


先日、初めて船のサクラマス釣りに挑戦したが、あえなく撃沈。サクラマスの顔を見ることはできなかった。代わりに持ち帰ったのは、山盛りのホッケ。家族で食べる分だけ開きにし、残りは薫製作りのベテランがおいしいホッケスモークを作ってくれた。家族は「サクラマスよりホッケの方が好き」と勝手なことを言っていた。

しかし、ハタと考えた。乗船した遊漁船はサクラマスライセンスを取得した船。その船に乗り、サクラマスを狙うことは、「漁業者がつくり育てている資源の節度ある遊漁利用の実現が目的」とある。河川でのサケ・マスの有効利用調査とは多少、表現は違うとはいえ、ライセンスを取得した船は、出港のたびに釣獲尾数を報告し、名簿を作成する責務がある。そのことを意識して乗船した人が一体、どれだけいたのか。
「こんなに釣れるのに、10匹しか持って帰れない」
「せっかくカネ払って乗ったのに、1匹も釣れない」
「釣れても7000円、釣れなくても7000円か」
漁港で一喜一憂する人たちを見て、違和感を覚えた。

道では遊漁に対し、さまざまなルールを設けている。ヒラメは全長35cm未満、マガレイやソウハチは18cm未満、スケトウダラは34cm未満をリリースするのも、そのルールの一つ。ヤマベやワカサギも禁漁期間などが細かく定められている。

釣り人はこうしたルールやその目的をどれだけ理解しているのだろう。また、ルールを策定した側もどれだけ釣り人にルールの目的を理解してもらおうとしているのだろう。がんじがらめで四角四面のルールには反発を覚えるが、何の理解も示さず、ただ何となくルールに従っている釣り人にも首をかしげたくなる。

初のサクラマス釣りは釣獲尾数ゼロに終わった。それは、ある意味“資源の節度ある遊漁”に貢献したということだろうか?(アングラーズペンクラブ菊地)

「昔の釣り場」をもう一度[04/04]


4月3日の読売新聞朝刊のコラム「編集手帳」にこんな話が書いてあった。
春の到来を告げる「春告魚(はるつげうお)」はニシンの異名だが、関東周辺ではメバルを指す。そのメバルは目が10円玉のように大きいことから「目張」の名が付いたという。この記事を書いた編集委員は、東京湾で船釣りをし、春告魚を13匹釣ったそうだ。

東京湾で獲れる江戸前の魚は1963年の15万トンをピークに90年代以降は3〜4万トンにまで激減した。水質汚染や水際の81%がコンクリート護岸となったことが原因で、水質汚染は改善されつつあるものの、漁獲量の減少は止まっていないという。

どの地域も抱えているなやみは同じだと思った。東京は人口の多さや首都としての機能を考えると、致し方ないという人もいるだろう。だが、北海道はどうだろう。他府県の人は自然が豊かで、魚も豊かな地域だと憧れを抱いているはずだ。

「昔はもっと釣れたのに」「昔はマガレイが釣れた場所だったのに」「昔はここで…」
釣り場で年配の人と話をすると、口々にそんな言葉が漏れてくる。
昔を知らない私たちは、ただ「そうなんですか」と答えるだけ。しかし、その昔も10年、20年とそれほど遠い過去のことではないのである。

漁獲量が減った理由、魚が釣れなくなった理由、それは一言で表すことはできないが、護岸工事も水質汚染も地球温暖化も結局は人間が招いたものに他ならない。

極端な話だが、死ぬまでに一度でいいから「昔の釣り」の醍醐味を味わってみたいと思った。そう思う人がもっともっと増えれば、何か行動に移せるのではないだろうか。次の世代の子供たちのために…という前に、自分達が生きている間にそれが実現できるなら、釣り人にとってこんな素晴らしい冥土の土産はないはずだ。(アングラーズペンクラブ菊地)

港や磯でもライフジャケット着用を[03/29]


釣り人が港で転落したり、磯で波にサラワレ行方不明になるといった事故が後を絶たない。多くはライフジャケットを着用していないため、捜索に時間が掛かり、死亡するケースも多い。船釣りについては、着用が義務付けられているからまだしも、陸での釣りはそもそも安全との思い込みもあるのか、着用の意識は低い。
以前、道内で1年間に発生する釣り人の死亡事故を調べたところ、20人、30人といった数で年々、推移していた。今も実態は同じだと思う。3年ほど前にスタートした石狩湾マリンレジャー安全対策連絡会議に出席するなどして、釣り人のライフジャケット着用を訴えてきたが、釣り会のベテラン釣り師のような影響のある人たちには「ライフジャケットを着ると、リュックが背負えないし、動きづらい」といった意見も多く、なかなか理解を得られなかった。
しかし、最近、えりも漁協のメンバーで、救難活動に当たっている人たちが札幌を訪れ、釣り団体の関係者と意見交換したことがきっかけとなり、北海道釣魚連盟(会員数約1300人)が2007年度から、会員のライフジャケット着用を義務化することになった。同連盟は磯釣り団体としては北海道最大であり、会員には釣り人の間で指導的立場にある人も多いだけに、着用推進の大きな一歩といっていい。すでに武美釣りクラブの磯釣り部会などでも着用義務化するところが現れている。
こうした動きを受けて、(財)日本釣振興会北海道地区支部でも今年度の活動計画に「ライフジャケツト着用推進キャンペーン」が盛り込まれることになった。今後は釣り団体はもちろん、海上保安庁などと連携しながら、具体策を講じていくことになるだろう。
着水したら膨らむタイプのライフジャケットはまだ値段も高い。しかし、着用する人が増えれば、価格もさらに安くなり、利用しやすくなる。メーカーもオシャレで薄く、機能的な製品を作ろうという意欲も高まるだろう。
「海で死ぬなら本望だ」などとうそぶく釣り人もいるが、家族の悲しみはもちろん、救助活動に当たる人々への迷惑も大変なものだ。多くは仕事をなげうって行うボランティアなのだ。ライフジャケットは車で言えばシートベルトと同じである。全ての釣り人がそうした意識を持つ日が来るよう、関係者の努力、釣り人の協力を一層、期待したい。(山道正克)

旧暦で楽しむ釣り[03/04]


カレイの顔が見たい、ホッケが釣りたい…。気の早い釣り人たちは大雪で寒さも厳しかった冬のことも忘れ、磯や漁港を歩き始めている。確かに3月ともなれば、早場と言われる地域では魚の岸寄りが始まり、超遠投でカレイを1、2枚という話も聞かれる。あと数週間待てば、楽に釣果が上がると言われても、誰より先に、誰よりも早く…そんな心理も釣り人ならではなのだろう。マスコミもそれをあおるように、「●●港でホッケ1匹」「●●海岸でカレイ1枚」と情報を流す。それに誘われ出掛けてみても「さっぱり釣れない」という文句ばかりが聞こえてきて、「そんなに焦るな」と言いたくなる。

沖縄県粟国島は日本で唯一、旧暦のまま生活している地域だという。札幌国際大学にその研究をしている女性教授がいて、偶然ラジオで話を聞いた。「旧暦のサイクルの方が農業も漁業も自然だそうです」。その言葉にハッとした。
釣具メーカーなどで発行しているカレンダーや手帳には必ずといっていいほど旧暦が記載されている。日本では明治5年12月2日に旧暦が廃止され、グレゴリオ暦(太陽暦)が採用された。うるう月が発生する旧暦では、官吏の給与を年13回支払わなければならないため、急きょ、太陽暦に切り替えたというからその理由に驚く。つまり私たちは、明治政府の方針で、1年を無理やり12カ月にされ、4年に1度のうるう年の2月を1日増やすという措置になったというわけだ。

旧暦で生活をしている沖縄県粟国島は、1月29日に正月を向かえ、例えば3月10日はまだ2月11日ということになる。しかも今年はうるう月のある年に当たり、太陽暦の8月23日に7月30日を終えると、翌日からまた7月になるという。今が旧暦の2月なら、春の魚が現れるのはまだまだ先である。そう考えると、もう少しのんびり、釣りと向き合えるような気もする。

人より早く、人より多くというがむしゃらな釣りが好きな人は仕方がないが、旧暦のカレンダーを見ながら釣行スケジュールを立てるのも一考ではないだろうか。(アングラーズペンクラブ菊地)
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